今回は録音機材とは少し違うのですが、ボーカル録音やちょっとしたスタジオ収録のときに便利なwi-fiワイヤレスカメラ・ネットワークカメラのことをご紹介しようと思います。
私は普段、歌をレコーディングさせてもらうときは、自宅の防音ブースを使うか、リハーサルスタジオにある小さなセルフレコーディングブースをレンタルして録音しています。
特にいつもお世話になっている近所のリハスタは非常に安いうえ、ちゃんとボーカルブースとコントロールブースがセパレートされていて、大きさも手頃なのでとてもお気に入りの空間。
その分、少し使いづらいところもあったりします。
その1つが、ブースの中の様子が見えないという問題。
本格的なレコーディングスタジオだとコントロールブースに大きな窓があって録音ブース全体が見渡せたりします。
でも、私が借りるセルフレコーディングブースには窓がないので、ボーカルさんの姿は全く見えません。
そして、自宅録音する時の防音ブースは、もちろん中の様子は全く見えません…。
マイク越しで十分コミュニケーションはとれるけど、マイクとの距離の監視だったり、ボーカルさんがテイクの合間にメモったり水飲んだりしてるのに気づかず「ん? 何かあった? 大丈夫??」ってなることがあったりして、特に細かくセクションを分けて録音していくときはちょっと不便なことがあります。
そこで登場するのがワイヤレスカメラやネットワークカメラです。
昔はそんなカメラなんてものすごく高かったので、スマホ同士でSkypeを接続し、ビデオ通話を使って様子を見ていました。でも休憩のたびにスマホを持ち出すので接続し直したりするのが地味にめんどくさい。それに何となくスタジオのフリーwi-fiでパスワード入れるようなアプリを使うのにちょっと抵抗があったりもしました。あと、スタジオの壁って防音のために分厚いので、Wi-Fi電波の入りが悪い!しょっちゅう途切れるんです。
その後ファンレスの小さなノートパソコンを入手したので、そこにUSBのWEBカメラを接続してブース内に置いてSkype接続するようにしてみたけど、それもそれで荷物としてかさばるっていう問題が。
どうしたもんかなーって考えてたとき、映像屋さんをやっている友達が遊び用に買ってみたっていう ↓コレ を見せてもらった瞬間「私が探してたのはこれやぁ!!!」ってなり、即日ネットでお買い上げしました。
アクションカメラ。エセGoProですね(笑) でもお値段5千円くらい。めちゃめちゃ安い!
ほんとにこんな大きさと安さで4K動画撮影できるの!?
一応、画素数的にはそれくらいいけるみたいだけど、さすがにレンズが小さいせいもあるのか映像はまあそれなりです。そこはあんまり気にしない。(笑)
でも半信半疑だったけど、意外とキレイにしっかり録れるんです。タイプラプスも録れる。
オプションパーツも多すぎるくらい充実してて、防水ケースやリモコン、セミハードケースのキャリングバッグ付き。安物なのに侮れません。
このカメラ、タブレット用の専用アプリをインストールするとタブレット端末とカメラを直接wi-fi接続できる機能があって、スマホ画面から録画操作をしたりカメラ映像をリアルタイムでモニタリングすることができます。これがブース内カメラとして使えるんです。インターネット回線がなくても、機器同士の直接接続だからOK。
私は首振りグースネック(密林で千円くらいで買える)でカメラを設置させてもらって、iPadからモニタリングをしています。
カメラの電源オートオフを解除してUSB給電を常時つないでおけば、録画しなくてもWi-Fi経由でずっと映像が見られるんです。
数秒の遅延はあったり、時々Wi-Fiが途切れて映像が止まったりもしますが、少し待てばすぐに再リンクされて見られるようになります。
ボーカルさんとマイクの位置状態だったり、RECスタート時にボーカルさんが水飲んだりしてないか把握さえできればいいので、多少乱れたり途切れてコマ落ちしても機能としては十分です。
一昔前なら何万円するんだろうっていうこの一式。タブレットさえ持っていれば5千円程度で揃うとか、世の中の進歩ってすごい…。
ちなみに似たようなMade in China系カメラはいっぱいありますが、私はちゃんと日本向けサイトが整備されてて商品紹介もしっかりしているMusonのカメラを買いました。
実は買った当初、オプションのパーツを確認していたら1種類足りないことに気づいて、ダメもとでサポートに連絡してみたんです。
そしたら「パーツ足りなくてごめんなさい。それはそのまま使ってもらって、追加で同じ製品の中古セット(開封したけどすぐ返品されたものらしい)をまるっと一式送ります。目的のパーツは入ってるはずなのでそれを使ってください(要約)」という予想外のアクロバット対応!!
次の日には到着してパーツは手に入ったうえ、返品されたセットというやつもカメラにちっちゃい傷があるだけのようで、カメラ本体も普通に動く物でした。
つまり、片方中古とはいえ、まさかのカメラ2台が手に入るという状況になりました…!
さすがに毎回こんな風な対応をしてくれるわけはないと思いますが、ある意味で誠意が溢れすぎている(大雑把ともいう)サポートで個人的にはとても信頼度が上がりました。(笑)
あともう1つ。
自宅の防音ブースなど、信頼できるwi-fiのインターネット環境に固定接続し続けられる環境の場合、こんなカメラもあります。
元々は赤ちゃんやペットの見守り用ネットワークカメラとして販売されているものです。
こちらはインターネット経由でメーカーのサーバにログインしてクラウド経由で見るものなのでアカウント作成やWi-Fiのインターネット環境は必須になりますが、とにかく映像がスムーズ!非常に滑らかで映像が途切れることもほとんどありません。
そしてカメラ本体に小さな内蔵スピーカーも搭載されていて、アプリ側でトークアイコンを押すとこちらから話しかけることもできるんです。簡易トークバックですね。音が小さいので使い勝手はどうかなということですが、ほかにも深夜用の赤外線暗視モードもあったり。真っ暗な中で歌いたいボーカルさんの様子を見るのもこれならOK!(笑) 非常に多機能で面白いですよね。
何よりこれだけ高機能なのに3000円台くらいで買えてサポートもしっかりしているのはほんとすごい。
無くても大丈夫だけど、あると収録のときに本当に便利なWi-Fiワイヤレスカメラ。
もし宅録や出先のスタジオワークで同じようなことに悩んでる方がいらっしゃたら、これで作業が捗ること間違いない! ぜひ参考にしてみてくださいね!