歌ってみたをやってみたい! ボイスドラマで演技を録音してみたい!
でもマイクの種類が多すぎて、どれを買えばいいのかよくわからない…
そんな方のために、私が実際に持っていたり実物を触ってみてオススメな初心者用マイクをご紹介しています。
ぜひマイク選びの参考にしてください!
マイクロホンの種類
まずは、マイクの種類についておさらいです。
一言でマイクといっても構造によっていくつか種類が分かれています。
その中でもよく使われている3種類をご紹介します。
ダイナミック型マイク
コンデンサー型マイク
また、構造が繊細なため、落としたり湿気が多い場所に長く置いたりすると音質が劣化したり壊れてしまう可能性が高いです。
値段も、ダイナミック型マイクに比べると比較的高いものが多いです。
あと、環境によっては隣の部屋の物音や外を通る車の音、夏場は外の蝉の鳴き声なども余裕で拾ってしまうくらい音を拾う能力が高いので、ある程度静かな環境を用意できる人じゃないと録音する時に大変かもしれません。
ちなみにコンデンサーマイクは全部筒形になっているわけじゃなく、ハンドマイクの形でもコンデンサー型マイクがあります。
これもファンタム電源などからの給電が必要。給電されて動作している分、同じ形のダイナミック型マイクよりも音量が大きかったり、高い音から低い音まで繊細に収音できる機種が多いです。
USB接続型マイク
最近のパソコンは何でもUSBで繫ぐことができるようになってきたので、スカイプ通話などを手軽にできるようにこのタイプのマイクが増えてきました。
特徴として、比較的安い値段で手に入る商品が多いです。
また、USBでパソコンに直接接続できるため、オーディオインターフェースが必要ありません。
セットアップも簡単なので、安いお値段で手軽に始めやすいのではないでしょうか。
デメリットとして、安い価格帯のものは必要最低限のレベルで設定されているものが多いので、音質はあまり良くないものが多いです。
構造もプラスチック製の物などが多く、あまり丈夫ではありません。
事前に試したりするのはできない場合が多いので、購入するときには通販サイトで購入者の評価などを参考にして慎重に選びましょう。
でも、最近はYoutubeや配信アプリで気軽に配信したい人のために、ハイグレードなUSBマイクも多数発売されています。
やや高価ではありますが、ファンタム電源のかわりにUSB経由で電源を供給するコンデンサーマイクなので、高音質でしっかりしたUSBマイクを使いたいという方はそちらをお勧めします。
おすすめマイクの紹介
ダイナミック型マイク
SHURE ( シュアー ) / SM58S
オススメ度 ★★★★★
世界で一番使われているマイクロホン。
1960年代に発売されたのですが、今でもスタジオやライブでは定番として使用され続けています。
(アーティストのライブ映像などを見てもよく映ってますよ!)
よほど酷い扱い方をしないと壊れない頑丈さと、音の芯がしっかりした音質でとてもバランスのよい、世界のマイクロホン標準機です。
もう何十年もマイクロホンといえばコレ!と言われてる機種なので、迷ったらとりあえずこれを買いましょう。
ちなみに「SM58」と「SM58S」という型番のものがありますが、SM58にはスイッチがついてなくて、SM58Sにはカラオケマイクのようにスイッチがついています。
少し値段差はありますが、スイッチ付きの方がオンライン通話で使ったりするときに便利なのでおすすめです。
【こんな方におすすめ!】
・選ぶのが難しいから、とにかく一番定番のやつにしたい
・あんまり取り扱い気を遣わず、出しっぱなしでも大丈夫なマイクがいい
・演技だけじゃなく歌の録音もするかもしれないから、どちらで使う時にも安心なマイクがいい
SHURE(シュアー) / BETA58A
オススメ度 ★★★★★
名前の通り、SM58の後継機として開発されたマイク。
見た目はとてもよく似ていますが、少し明るめのメタリックな質感になっているので実物を見ると雰囲気はかなり違います。
SM58との違いとして、収音能力が高くて同じ音量の声でもSM58より大きめに音が入る感じです。また、音質的には高い音域がしっかり拾えるようになっていて、SM58よりもかなり明るい印象の音色になっています。自分の声が低めでSM58だと少し籠っている感じがする、という人には最適ですね。
耳に一番よく届く音域をしっかり拾ってくれる(いわゆる「音のヌケが良い」)マイクなので、音楽ならばPOPS系やロック系の音楽によく合います。ボーカル用のマイクとして導入されているライブハウスも多くなっていて、新たな定番になっています。
また、音を拾う範囲(指向性)がかなり狭くなっていて、余計な音を拾いづらいという特徴もあります。その分、マイクと口の距離が変わったり、声を出す方向を外したりすると音色が変わりやすいので、少し慣れが必要かもしれません。
【こんな方におすすめ!】
・低い音がこもりやすい声なので、すっきりした音色で録音したい。
・明るい音色のマイクがいい
・ノリの良い or 激しい音楽を歌ったりしたいから音ヌケの良いマイクが欲しい。
・なんとなくSM58は普通すぎて嫌だから、もう少し玄人向けのマイクにしたい。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E935
オススメ度 ★★★★☆
ゼンハイザーはヘッドフォンにこだわる方ならおなじみのメーカーですよね。プロ用マイクでも多数の製品をリリースしています。特に大きな会場のライブで使われているワイヤレスマイクはゼンハイザー製品が使われていることが非常に多いです。
E935は比較的低価格のエントリーモデル定番機。カッコイイ金属ボディで、高い音から低い音までかなり広い音域をしっかり収音してくれるマイクです。
特に高い音域を綺麗に収音してくれることで評価が高いです。SHUREのBETA58Aも同じような傾向のマイクですが、こちらのE935はよりナチュラルで自然な印象のキャラクター。BETA58Aが「抜けてくる」音に対し、E935は「伸びてくる」という感じでしょうか。繊細なニュアンスをそのまま収録してくれる優秀なマイクです。
その分「下手だとほんとに下手なのがよくわかってしまう」という評価もあるので、このマイクで上手く聞こえるようになったら間違いないっていう実力試しになるかも!?
【こんな方におすすめ!】
・ポップスやバラードにも対応できるナチュラルでクリアな音色のマイクがほしい
・ごまかしの利かないマイクで実力アップしたい!
SENNHEISER / E935 ダイナミックマイク
【イエロー】 【ピンク】 【クローム】 【ゴールド】 【ブルー】
もちろん、サウンドも評価が高いです。高い音域は繊細、低音がボワボワになったりせずスッキリした音なのに非常に存在感があるので、セリフ録音・歌の録音・ライブでも何でもこなせるオールラウンダー。弱点があるとすれば、他の同じくらいのサイズに比べてちょっと重いくらいでしょうか。
ややマイナーなマイクですが、自分好みの色で気分もアガるし、とてもお勧めのマイクです。
ちなみに私のダイナミックマイクのメインはこのM80です!
【こんな方におすすめ!】
・地味なマイクじゃつまらない!自分の色のマイクが欲しい!
・個性的なマイクがいいけど音もしっかりしている機種がいい。
TELEFUNKEN / M80 ダイナミックマイク
LEWITT ( ルウィット ) / LCT240Pro ValuePack White
オススメ度 ★★★★☆
LEWITTは2009年設立という比較的新しいメーカーで、洗練されたデザインと確かな品質のマイクで瞬く間に有名になりました。
LCT240proはそんなLEWITTのエントリーモデル。少し横長で四角い、かわいらしいデザイン。定番のブラックの他、マイクでは珍しいホワイトモデルもあります。非常に個性的なポップガードやマイクホルダーも付属します。
安価ながら非常に解像度が高く、息遣いまで生々しく録音できる性能はこの価格帯では特筆モノ。デジタルでもアコースティックでもオケの中で音が明るく映えるキャラクターで、繊細なウィスパーから大音量まで幅広いレンジに対応できる万能マイクです。また、音の芯をしっかりと捉えながらも、その空間の空気感もしっかりと録音できる爽やかなキャラクターも魅力です。そのため楽器の録音にも非常に相性が良いようですね。
一時期モニターキャンペーンを行っていて多くのDTMerさんやミュージシャンの方がコメントを寄せていましたが、軒並み「この価格帯のマイクとは思えない」という高評価だったのが印象的でした。プロエンジニアさんによるマイク比較でも頻繁に登場して高評価を得ている機種ですので、気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。私的にはバラードやウィスパー系など繊細な表現が得意なボーカリストさんや、感情を込めた演技をメインとする役者さんにはこのマイクのナチュラルで生々しいサウンドがぴったり合うのではないかと思います。
ちなみにこのLEWITTというメーカー、レコーディングマイクの定番として有名な高級マイクC414やエントリーモデルで人気のあるC214を製造している「AKG」の元プロダクトマネージャーの方が立ち上げた会社なのです。マイクのフォルムや音色にその空気感が継承されている印象です。そういう意味でも確かな実力のあるマイクですね。
【こんな方におすすめ!】
・自分の声をとにかく再現性高く録音してくれるマイクがいい!
・弾き語りなど楽器演奏の録音にもぴったりなマイクが欲しい!
LEWITT / LCT240Pro ValuePack White コンデンサーマイク
USB接続型マイク
オススメ度 ★★★☆☆
パソコンでの動画配信を想定して設計されたマイクです。
正確には直接USBケーブルで接続する形ではなくて、マイク端子からイヤホンジャックに変換するためのケーブルが付属し、さらにそれをUSB接続をするためのオーディオボックスも付いてきます。これはこれでハンディレコーダーに接続して使ったりできるので便利という方もいらっしゃるかもしれません。(笑)
歌のレコーディングなどには向いていませんが、トークで使うとかなり聴きやすい音質に調整されていますし、ちょっとした歌を歌うくらいならば十分な性能です。ちょっとしたトークや歌ってみた配信用として、予算はないけどそこそこしっかりしたマイクが欲しい、という方にはぴったりなマイクです。
SONY / ECM-PCV80U USBコンデンサーマイク
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT2020USB+
コンデンサーマイクのオススメとしても紹介したAT2020のUSB接続タイプです。
マイク本体にイヤホン端子やボリュームなどの機能がついており、とても機能的な設計になっています。
音質はもちろん安心・安定のオーディオテクニカ品質。演技から歌のレコーディングまで何でもこなせるオールラウンダーマイクです。
audio technica / AT2020USB+ USBコンデンサーマイク
AKG ( アーカーゲー ) / LYRA
プロのレコーディングスタジオでもお馴染みの定番マイクを多数製造しているAKGのUSBマイク。
音質や性能の高さは言わずもがなですが、大きな特徴は集音モードを変更できること。マイク正面からだけでなく正面+背面の2方向から録音できるモードや、マイク周囲の音を広く録音するワイドステレオモードなどもあります。ラジオ収録などには最適ですね。弾き語りライブや合唱などにも相性が良いのではないでしょうか。
価格もUSBマイクとしては比較的高価ですが、コンデンサーマイクとしてはリーズナブル。レトロ風味なデザインも素敵です。伝統のAKGサウンドを試してみてはいかがでしょうか。
ケーブルやスタンドも忘れないように!
マイクを買ったけど、ケーブルやスタンドがない!ってなっちゃうと録音できません。
買うときには付属品をよく確かめて、ついていない場合には一緒に買いましょう。
(ケーブルを買うときには、接続端子の形状確認を忘れずに!)
CLASSIC PRO / MIX030 マイクケーブル 3m XLRキャノン
両端がキャノンタイプのマイクケーブル。
宅録するときのマイクケーブルは3メートルくらいのタイプが便利です。
机の上に置いて使う卓上マイクスタンド。
もっと安いのもあるのですが高さ調整ができなかったりするので、このくらいの高さ調整ができるタイプが便利です。
CLASSIC PRO / MSB/BLACK ブームマイクスタンド
立って使うときのためのスタンドマイク。角度などを動かせるのでブームスタンドと呼ばれてます。
縦棒だけのストレートスタンドでもよいですが、座ったり机の横からのばしてきたりといったときはブームスタンドの方が使い勝手が良いです。
最近のマイクにはポップガードが同梱されているものも多くなっていますが、付属品に記載されていない場合はほぼ必須となるので買っておきましょう。
マイクに強い息が吹きかかると「ボコっ」というノイズになってしまいます。 それを防止してくれるのがこのポップガードというスクリーンで、口とマイクの間にこれをかざして使います。
ちなみにもっと安いものもあるのですが、枠の大きさがかなり大きいようなので使い勝手がよい大きさのこのモデルを紹介しました。
裏技として、どうしてもお金がないというときはストッキングで自作したり、マイクにティッシュをかぶせて輪ゴムで固定したりして代用したりもできます。(笑) でもやっぱり専用に1つ持っておくと便利です!
最後に「私的!マイク選びに困ったときのアドバイス」
今回は私がチョイスした色々なマイクを紹介してみましたが、
結局どれがいいのか迷う!!という時のアドバイスを。
ズバリ「見た目!」もしくは「直感!」です。(笑)
というのも、最近は安いマイクでもどんどん品質が上がってきているので、5万円前後くらいまでのマイクは極端に粗悪品でなければどんなマイクでも非常にしっかりとした音で録音できます。もちろん「音色の違い」など個性はありますが、録音に慣れないうちはその違いはなかなか分かりません。(私もちゃんと違いが分かり始めるまで何年もかかりました…)
最初にそんな部分で悩むよりは、まず「見た目でも直感でもいいから気に入ったもの」を買ってしばらく使ってみると良いです。使っていくうち、だんだんマイクの個性や違いが分かってくるはずです。
好きな歌い手さんや役者さんがマイクのことを呟いていたら、「あのマイクを使って録音してる音なんだ」というのを頭に入れて、自分が録音した音と聴き比べてみたりするのもいいですね。
そうやって自分がテンションの上がるお気に入りのものを使い込んでみて、自分なりにいろんなことが分かってきて「もっとステップアップしたい!」って思ったら、音質について経験者さんや楽器店に相談したり実際に試聴させてもらったりして探していく。それが”一番相性の良いマイク”と出会う近道の1つだと思います!